院長のコラム

2008年07月31日 高齢者の患者さんと発熱について

 在宅医療をはじめて、ひとつ思うことがあります。
高齢者の方が、37〜38度を超える発熱を繰り返す患者さんがよく見受けられます。
 一般的に考えれば、その発熱の原因は、風邪や、場合によっては肺炎などの呼吸器感染からと考えるのが順当です。その上で、抗菌剤を服用したら、熱がましになった・・・。でも、しばらくすると、また発熱を繰り返す・・・のパターンです。

 こう言ったケースは、慢性膀胱炎などの尿路感染症からの熱も、十分に考えられます。
一般的に高齢者の方は、排尿状態が悪く、残尿も多くなりがちです。そこに細菌感染を合併してしまうことが多いのです。
 こういったケースでは、薬を使用するよりは、尿道バルーン(おしっこの管)留置した方がいいと思います。
 こういう患者さんに、尿道バルーンを留置するだけで、本当に不思議に、発熱しなくなり調子が良くなります。
 しかし、尿道バルーンは、おしっこの袋をさげることになるし、また定期的に尿道バルーンを交換しないといけません。めんどうになります。
 最終的には、患者さんは発熱しなくなるので、やっぱり尿道バルーンを留置することになるのです。