院長のコラム

2010年10月17日 男性の”頻尿”

 これから寒くなってゆく季節。あちこちで”頻尿”と言う言葉がよく聞かれるようになります。つまり、トイレが近くなる、と言うことです。テレビでも、頻尿をテーマにしたコマーシャルが多く流れるようになってくるでしょう・・・。
 ”頻尿”という病態は、非常に難しいです。
もちろん、男性と女性ともに頻尿になります。しかし、原因は、全く異なります。
これは、男性には、前立腺があるためです。前立腺は、膀胱に隣り合わせた、「だんご」みたいなものです。「だんご」を突っ切って、尿道が流れています。

 男性の”頻尿”は、典型的には前立腺による影響によります。
 一般に、前立腺は、50−60才を過ぎると、前立腺が大きくなる前立腺肥大となります(だんごが腫れる)。このため、尿が出にくくなり、体は、膀胱から尿を出そうと頑張ります。そして、自然のうちに、膀胱の筋肉や神経が緊張状態になります。そうして、”頻尿”が起こります。
 しかし、さらに、前立腺肥大の病状が進むと、尿がさらに出にくくなり、残尿が発生します。これが多くなると、トイレ行っても、おしっこがいっこうに出ていない・・・膀胱に残る・・・という状態になります。そうなると、別の意味で、”頻尿”になります。
 さらに、不眠症や神経症などからも”頻尿”が起こりえますし、前立腺炎や尿道炎でも”頻尿”は生じえます。
 つまり、”頻尿”は奥が深い病態なのです。
 頻尿の治療薬は、慣れない先生が使用すると、全く、尿が出ない(尿閉)という状況になり、下手したら、おしっこの管を入れなければなりますので、ご注意を・・・
 専門医にご相談下さい。