院長のコラム

2010年10月19日 ジェネリック薬について

 最近、よくテレビコマーシャルや新聞広告などで、ジェネリック(後発品薬)について、いろいろ書かれています。医療費削減のため、少しでも安くしたいことを考えれば当然のことです。
 当院でも、出来るだけジェネリック化はしており、約半数はジェネリックになっていると思います。
ジェネリック薬品に関しての、僕の考え方としては・・・

 先日の新聞広告に載っていたジェネリックに関しての記事では、一例として、ある薬の例で「、薬価が1/10以下になり、1000円かかる薬代が100円になりますよ〜。」でした。
確かに、薬価が1/10以下になる薬はありますが、実は、ほんの一握り。当院においても、ごくわずかです。ほとんどのジェネリックの薬価は、せいぜい、先発薬に対して、70〜80%程度が多い感じがします。過大広告??と感じる感もあります。
 ジェネリックのメリットは、医療費削減につきます。今後、人口減少・高齢化社会の日本の将来を考えれば、必要と思います。
 デメリットは、ジェネリックの薬の名前がややこしく、間違えやすくなること。
あと、ジェネリックの薬は、そもそも品種は多い割に、流通量が少ないので、在庫切れのリスク(薬が不足する)が考えられます。
また、成分にわずかなばらつきがあるような感じもありますね。
 さらに、後発品開発ばかりに走ると、大切な新薬開発が遅れるリスクもあります(例えば、抗生剤などはなかなか新薬が出にくい)。これは、昨今、多剤耐性菌や未知のウィルスや細菌が、突然出現するニュースを耳にする中、怖いことです。
 メリットとデメリットは、天秤にかけて、どちらがいいかで決まることとなります。

 いろいろ書きましたが、僕個人の印象では、「ジェネリックは安くなると言うけど、こんなわずかしか安くならんの??これやったら、考えるなあ〜」という感じです。