院長のコラム

2010年11月16日 子宮頸がんワクチンについて

 子宮頸がんの原因は、原因のほぼ100%、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスの感染によって起きるとされています。性行為で、ほとんどの女性が感染していると言われています。しかし、その大半は、自然に治癒しますが、0.1%の女性に癌を発症するとされています。
 子宮頸がんは、近年、20代後半から30代の女性に急増し、発症率が増加傾向にあります。
このため、性交渉をまだ経験していない、HPV感染前の小中学生の女児に、早期に、この子宮頸がんワクチン接種を済ませることが大切と思われます。

 HPVには、100種類以上の型がありますが、特に16型と18型で、全体の70%をしめています。ただし、発癌性の高い型は、15種類程度あると言われています。
 現在、子宮頸がん予防ワクチンは、「ガーダシル」と「サーバリックス」の2種類あります。「ガーダシル」は、HPV6・11・16・18型(4価)の感染予防ワクチンに対して、「サーバリックス」は、HPV16・18型(2価)の感染予防ワクチンとなっていますが、日本では、まだ、後者の「サーバリックス」しか、日本では、厚生労働省に認可されていません。
 予防ワクチンは、HPVにすでに感染している人には、効果がなく、また同ウイルスの増殖を刺激するという報告もあります。
 ワクチン接種は、おおむね小学6〜中学3年生で、3回注射を行います(初回、1ヶ月後、6ヶ月後)。費用は、今のところ、大阪市では助成制度はありません。